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橋下徹大阪市長が、大阪都構想と並んで市政改革の大きな柱として実現を目指す大阪市営交通の民営化問題。市議会でも賛否様々な立場から議論が行われているのだが、どうも、どちらも「民営化ありき」「市営交通存続ありき」に陥ってしまっているように感じる。

私個人は市民・利用者にとって安くて安全、便利で快適な交通機関が維持されるという前提条件が達成されるのならば、公営、民営の運営スキームにはこだわらないという立場だ。つまり、民営化を目指すのならば、それは目的ではなく、先述の前提条件を満たすための手段に過ぎないし、方法論でしかないということだ。

では、我々が大阪市営交通の民営化問題について考える際、どういうふうに考えていけばいいのだろう?

●民営化のメリット構築は公営では無理なのか?
橋下市長や藤本交通局長は、たびたび議会の答弁において職員の意識改革が進むことを民営化メリットの一つとして挙げている。

しかし、これには思い違いも甚だしいと感じざるを得ない。
雪印の食中毒事件や船場吉兆による食品偽装問題では、企業風土や従業員の遵法意識が問題視された。当然、両社とも純粋な民間企業である。公的資本による企業でも、最近のJR北海道に代表される事例もある。

つまり、職員の意識向上施策は公営だろうが民営だろうが取り組むべきものであり、民営化のメリットに盛り込むのは筋違いだと指摘せざるを得ない。

また、民営化基本プラン案によると、公営企業は民間企業よりも法や条例による制約が多く、自由かつ迅速な経営判断が困難である旨の記載があるが、それこそ橋下さんの突破力で法や条例を改正するよう働きかければいいのでは?、と感じる。

なにせ橋下さんは府知事時代に「国直轄事業の地方負担金はぼったくりバーみたいなものだ」と発言してこの見直しにつながったし、都構想実現のための布石として、東京以外で特別区を設置できるよう法整備を求め、それを勝ち取ってしまったのだから、公営企業改革の一手として法や条例の改正に尽力すればいい物を、なぜに民営化?、と思ってしまう。

●地下鉄とバスの問題は切り分けて考えよう
メディアがこの問題を報じる際、一括りに「市営交通民営化」と報じ、それはそれで便利な言葉なのだが、実際には、地下鉄と市バスでは置かれている現状も異なるし、交通局が提示した民営化プランの中身も異なる。

地下鉄は2003年度の決算で初めて単年度黒字を計上し、2010年度決算において、全国の公営地下鉄では初めて、累積欠損金を解消するに至った。

一方で市バスは経営環境が悪化の一途をたどり、平成24年度決算の時点で累積欠損金が627億円にものぼっている

民営化プランも両者で異なるものとなっており、詳しくはリンク先からPDFファイルをご参照いただきたい。

地下鉄事業・バス事業民営化基本プラン(案)

平たく言えば、地下鉄は大阪市100%出資の株式会社を設立し、将来的な上場、完全民営化を目指すというもの。バスは既存の民間バス事業者に譲渡するというものだ。その際、交通弱者の移動手段確保という観点から、維持が必要であるとされた路線に対しては市が適切な財政支援を行うとしている。

私は数ヶ月前、このブログ上で民営化するならJR九州を手本とするように進言したが、それも地下鉄についてのもの。バスには当てはまらない。

●地下鉄についての考察
地下鉄については、基本的に民営化してもかまわないと考えているが、現行の民営化プランには詰めの甘さが多すぎると感じている。その点については、先掲のリンクをご参照いただきたい。

さらに、維新支持者も含めて、交通局自体(おそらくは市長の意向でのこととは思うが・・・)も財政に関して、とんでもない思い違いをしていると言わざるを得ない。

市議会での市長答弁や地下鉄民営化基本プランによれば、黒字である地下鉄が民営化すれば、これまで納付義務がなかった固定資産税を納税するようになり、さらに株主としての配当も期待できることから、市の一般会計に貢献する存在になると強調している。しかし、これを逆に言えば、地下鉄事業の支出が増大するということでもある。

橋下市長の意向に基づいて一般会計から地下鉄事業への繰入金は徐々に減額傾向にあり、民営化を前提として運賃値下げも実施、しかも少子高齢化で通学需要が減り、人口減少社会の進展で利用客数そのものも減少が見込まれる。さらに固定資産税の納税まで開始するとなれば、地下鉄としての収入は減り、支出は増える。累積欠損金解消の原動力となった単年度黒字が維持できるのか、微妙な状況に陥る可能性も否定できない。

しかも、将来的に上場を目指すといっても、そんな減益企業に投資家は目を向けてくれるのか。

市議会では、市営交通民営化の問題を中心に市内交通のあり方について議論する交通政策特別委員会が設置されたので、市議各氏にはこの点について議論を深めていただきたい。そして交通局には、市議の指摘に真摯に対応し、財政上の懸念を解消できる方策を立てていただくよう要望しておく。いずれにせよ、拙速な民営化の推進は、せっかく累積欠損金を解消するまでになった地下鉄事業を破滅に追い込むだけであると警鐘を鳴らしておく。

●バスについての考察
バスは地下鉄とは異なり、どうにも赤字が止まらないという症状。
府市統合本部の会議では、民間のノウハウを活用してコスト削減とサービスアップに取り組むべく、民間事業者への譲渡を実施すべしとの結論に至った。

その方向性の下、交通局によって民営化基本方針案が策定された。ところが、市議会各会派から交通弱者への移動手段の確保という問題もあり、市がある程度運営に関与できる仕組みを構築すべきとの意見が出た。そのため、外郭団体である大阪運輸振興株式会社を譲渡先の一つとして活用すべくプランを改定し、民営化基本プランが策定された。

しかし、私の目には、突っ込みどころが違うように映っている。
大阪の市バスは、公営交通の特徴が悪い形で如実に出てしまったと感じている。
じゃあ民営化か?と問われれば、それも違うと答えるだろう。

なぜか。公営だろうが民営だろうが、やって然るべきことができていなかった結果が今の惨状である、という認識を持っているからだ。

例えばダイヤの問題。
我が自宅の至近にあるバス停の、大阪駅前行きバスの時刻表なのだが・・・。
http://kensaku.kotsu.city.osaka.lg.jp/bus/dia/print/jikokup01327001.html

本数の多さ少なさを問題にしたいのではなく、運行パターンが一定でないことを問題提起したいのだ。
運行パターンが一定であれば「毎時17分と47分発」というように覚えやすいダイヤとなり、利用へのハードルも下がる。

次にルート選定の問題。
今年3月末、利用率低迷を理由として赤バス29路線中26路線が廃止されるという出来事があった。
赤バスは地域コミュニティバスとして位置づけられたことから、一般バス路線以上に地域説明会などでルート選定について意見集約を図ったとのこと。

そうなると「我が町内に赤バス路線を!」との声が噴出することとなり、町内会同士で赤バス路線の誘致合戦の様相を呈することに。そしてできあがったのが、なんともいびつな運行経路。

赤バス廃止について議論されていたとき、平成24年9月21日の交通水道委員会で公明党の漆原良光市議(平野区)も指摘しているのだが「家から目的地まで行きはスムーズだが帰りは遠回り」という事態があちこちで起こっていたのである。

そうなると、これまた利用意欲は減退。

つまり、利用しやすいダイヤと分かりやすい走行経路の選定。これは公営だろうが民営だろうが無関係で、当然に提供して然るべきである。やるべきことも完遂せずして利用低迷で廃止など愚の骨頂で、まず交通局はこうした努力を最大限敢行し、その上で民営化にメリットを見いだすのならば、案を上程すればいいと思う。

私は地下鉄もバスも将来的な民営化に反対ではない。しかし、民営化しても残すべきもの、民営化を前提とせずとも取り組むべき改善項目、そうした議論がなおざりになっているように感じている。

(特に大阪市民の)皆さんは市営交通の民営化問題、どうお考えになりますか?

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近年、公募によって選挙の候補者を擁立する政党が増えた。自民党の小泉チルドレンや民主党の小沢チルドレン、みんなの党や減税日本、維新の会など枚挙にいとまがない。

面接と論文による選考を突破し、選挙に当選して議員となった公募新人たち。しかし、その多くは単なる数合わせの駒、あるいは党首の代弁者でしかなく、自らの政策を持ち合わせていないことが多いばかりか、促成栽培の如き未熟さにあふれているように思えてならない。

事実、私自身、地元大阪市の市議会を幾度となく傍聴してきたが、維新の会の公募新人の中には、自分の言葉で質疑を展開できず、原稿棒読みに終始しているような議員を何人も見てきた。

しかし、公明党の新人は、充分に即戦力として通用する逸材が揃っており、一期目にして見事な実績を残したり、政務三役入りする議員までいる。

3年前に初当選した竹谷とし子参院議員は公認会計士資格を持つ経営コンサルタント出身の議員。会計帳簿を見て無駄を指摘し、改善を促すという職業特性を国政で遺憾なく発揮し、国債償還のために積み立てている基金の管理方法の無駄を指摘し、735億円の余分な年間利息支払いを削減させることが可能になった。

また、同じ選挙で初当選した秋野公造参院議員は、医師免許を持つ厚生労働省出身の議員。と言っても霞ヶ関の庁舎でいすを温めていたわけではなく、薬害エイズ患者の救済策策定に東奔西走したり、2009年の新型インフルエンザ発生の際には成田空港で検疫活動に尽力した。そして昨年末の第二次安倍政権発足に伴い、環境大臣政務官に抜擢された。

このように、公明党の議員は一期目の新人といえども、見事な活躍ぶりを見せてくれている。それはなぜか。公明党の場合は公募で候補者を募るのではなく、党が適材と認めた人材に声をかける一本釣り方式を採っているからだ。候補予定者に声をかけるにあたっては、普段の言動、人格、家族の同意など、あらゆる面で厳しいチェックを受ける。つまり、公明党の新人候補は海千山千の公募新人とは違い「安心の品質保証付き」なのだ。

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公職選挙法に基づく連絡先情報へのリンク
http://www.facebook.com/takashi.chikami/about
参議院議員大阪府選挙区。これまで新進党時代を含めて24年間にわたり、議員を務めてきた白浜一良さんが引退することになった。

そして、その後継候補として颯爽と私たちの前に姿を現したのが、杉ひさたけ37歳。
彼の公式サイト→http://sugi-hisatake.com
公式Facebookページ→https://www.facebook.com/osakapj

私は、彼をなんとしても国政に送り出したい。
その理由とは、まず杉ひさたけは、会計の国際標準を知る人であるということである。
杉ひさたけは、大学在学中に日本の公認会計士資格を取得した。そればかりか、2009年にはアメリカの公認会計士資格も取得した。

さらに杉は、かつて難病患者団体の会計監査業務を引き受けていたのだが、仕事として監査料を徴収するのではなくボランティア。無償でやっていたのだ。弱い立場の人に同苦し、自分の能力を活かして手を差し伸べる。まさしく、公明党の立党精神を全身で実践している杉ひさたけ。

その杉が言うには、日本の国家会計の帳簿は小学生の小遣い帳なみに大ざっぱなものだそうである。つまり、単に収入と支出を大項目で管理しているだけ。

例を出そう。
本代、2000円
食費、3000円

これでは、本といっても趣味の本なのか仕事上必要な本なのか、自分で読むのか他人にプレゼントするための本なのか、全く分からない。
食費といっても自宅で料理するための材料費なのかレストランなどの外食なのか、また、1日3食の基本食なのかおやつなどの間食なのか、スーパーの特売品を買いだめしたのか高級食材を買ったのか、全く分からない。

これが国家会計帳簿の現状であり、これを「財政の見える化」で改善しない限り、税金の無駄遣いや使途流用の根絶は実現不可能だと杉は力説する。

「財政の見える化」とは、例に挙げたような大ざっぱな経費管理ではなく、いつ、何が、何のために必要であり、そのためにいくら費用がかかるのかを明確にすることである。そうすることによって行政事業の必要性を的確に判断し、無駄のない予算を組むことができるようになる。また、予算の段階で使途が明確化されていることから、不正流用を防ぐことが可能になり、あぶり出された無駄金を真に必要な事業へと再配分することにより、難病対策や子育て支援といった福祉の充実が実現する、と杉は訴える。

しかし、現在、衆参両院の国会議員の中で、公認会計士の資格を持つ議員は5人(自民2、民主2、公明1)しかおらず、杉のようにアメリカでの資格を併せ持つ人はいない。杉ひさたけが議員になることによって、会計の国際標準様式を日本の国家会計にも導入し、そのことが政治への信頼を回復させる処方箋になると確信している。

もう一つ言えば、公明は福祉の党を自負してきただけって、医療や福祉に精通した議員は多かったが、経済や財政のプロと呼べる議員は少なかった。しかし、経済政策は国家運営の基本でもある。連立の一翼を担う党として、そういった点を補強する必要性もあり、近年は竹谷とし子参院議員(公認会計士)や岡本三成衆院議員(ゴールドマン・サックス執行役員)といった、おカネの話に強い人材を発掘してきた。

今回の参院選、公明党は杉ひさたけ以外にも、平木だいさく(シティバンク→経営コンサルタント)、かわの義博(三菱東京UFJ銀行→丸紅)といった、おカネの話に強い人材を擁立している。

さらに、今回擁立した候補が全員当選すれば、公明党における青年議員比率は4割に。若い世代がこんなに陸続と出てくる党は他にはない。
*=30代、40代の議員

杉ひさたけが勝つことは、日本という国家にも国民1人1人にも、公明党にとっても必須の命題なのである。

ここで、杉ひさたけの街頭演説動画を紹介するので、ぜひとも彼の主張に耳を傾けてほしい。

2013.7.9、新金岡駅前街頭演説
弁士:杉ひさたけ候補、北側一雄衆院議員
http://youtu.be/7OrdlhDlOzk

そして、あなたが大阪府民ならば、杉ひさたけに一票を託してほしい。
府民ではないけれど大阪府に友人知人がいるならば、ぜひともその方に杉ひさたけをご紹介いただきたい。

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去る5月30日、大阪市会本会議で橋下市長に対する問責決議案が否決された。賛成したのは自民、OSAKAみらい(民主党系)、共産の3会派で、公明と維新が反対した。但し、単純に「問責されるべき理由がない」とした維新に対し、公明の反対には奥深い理由がある。

この点について、フリージャーナリストの吉富有治氏(大谷昭宏事務所)がWEBコラムを執筆されている。

大山鳴動してミミズ一匹?~橋下市長の問責決議騒動の顛末
http://homepage2.nifty.com/otani-office/column/yo_050.html

また、公明党大阪市会議員団副幹事長の辻義隆市議が、一連の経過を説明した議員団公式文書と公明提出の決議案をPDF化してアップロードしている。

公明党大阪市会の対応について(公明党大阪市会議員団公式文書)
橋下市長に対し猛省と責任の自覚を促す決議案(否決)
一括閲覧はこちらをクリック
ちなみに自民、みらい、共産の共同提出で出された「問責決議案」も、表題が異なるだけで、文面は全く同じ物であるということを明言しておく。

さらに、個人的に親しい自民党の大阪市議からも話を伺った。但し公式発言ではないので、どなたなのかは伏せさせていただきたい。

これらを元に、橋下市長問責決議案否決の真相について書き記していく。

まず、慰安婦や米兵の性犯罪問題に関する一連の騒動を踏まえ、公明市議団として橋下市長に口頭申し入れを行った。そして、この内容を明文化すべく、自民とOSAKAみらい大阪市会議員団(民主党系会派)、公明の3会派で決議案の文面などを調整していた。この時点でマスコミが匂いを嗅ぎつけ、「大阪市会、橋下市長問責。維新と連携の公明も賛成して可決へ」と記事にした。

その際に確認された合意事項が文面に反映されたのだが、そこには市長辞職を促す内容は一切含まれていない。要は、しっかり反省して今後の発言、行動を改めていただければ、それでよしということだ。

さて、マスコミ報道を見た維新幹事長の松井知事は危機感を抱いた。問責可決となれば、維新の金城湯地である大阪でもイメージ低下は避けられない。これは参院選にも都構想にも大きく影響する。そこで松井知事は橋下市長と対談し、作戦を練った。作戦に基づき、市長は3会派の幹部市議と会談の席を持った。

市長:これは、僕に「辞めろ」ということですか?

3会派:いえ、しっかり反省して、今後気をつけてもらえればいいんです。

市長:法律家の僕にとって「問責」という単語の持つ意味は非常に重い。どんなキツイ内容の決議文になっても結構ですから、どうか「問責」という単語だけは外していただきたい。

3会派:協議します


一方、松井知事もメディア向けに「問責可決なら出直し選も辞さず」とのコメントを発表した。

市長からの要望と松井発言を受け、公明は「維新サイドは問責を辞職勧告と捉えている。辞職を促す意図はないのだから使わない方がいい」と主張した

これについては、民主党政権の問責決議に対する対応から、その意味が軽くなってしまったという指摘もある。
調べてみたら、民主党政権で問責決議案が可決された際、自発的に辞任した例は全くなく、その後の内閣改造でのメンバー交代で対応している。野田総理に対しての問責では衆院解散に打って出た。

ところが、3会派と市長との会談内容が各会派内に報告されると、色めき立ったのが自民内の強硬派市議。もともと維新は自民が分裂してできた会派だけに、維新に恨みを持つ議員は多い。「問責で橋下を引きずり下ろせるのなら、攻めるべし!」との強硬論が噴出してきたのである。

自民幹部団は、公明から示された理論を強硬派市議に説明し、説得に励んだ。
●橋下維新は支持母体を特に持たず、常にメディア露出によって支持を拡大してきた。
今、強硬に「問責」とすれば、市長を辞めて参院選に出るのか、出直し選に打って出るのか、問責を無視するのかという「進退カード」をチラつかせ、メディアの注目を集める。

●もし市長が問責可決で辞職すると市政空白期間が生じ、混乱する市政の正常化が先延ばしになってしまう。

●仮に出直し選に打って出るとなると、大阪での維新支持率は、少なく見積もっても40%程度はあり、再選は確実。そうなれば「大逆風を勝った」ということで、その民意を背景に、これまで以上に議会に対する圧力が強まる。また、橋下氏に勝てる候補など、現時点ではおらず、短期決戦となる出直し選で、人材を発掘する時間もない。

しかし、結果として自民強硬派の説得は失敗に終わり、自民、みらいに共産が乗っかった形で「問責」決議案が提出されることになる。

さて、表題に「問責」が用いられることになった以上、公明としては賛成はしかねる。しかし、ただ反対しただけだと「市長を信任した」とみなされてしまう。そこで、表題だけ「猛省と責任の自覚を促す決議案」に差し替えたものを提出することとした。

こうして迎えた5月30日の大阪市会本会議。問責案も公明案も否決された。しかし、表題は異なれども文面は全く同じという決議案が維新以外の全会派から提出されたという事実はきわめて重い。あとの見解は概ね吉富氏と同じなので詳しくは書かない。

ただ、実は私自身、本会議当日は見事にメディア報道にだまされ、「せっかく橋下を蹴り落とすチャンスなのに、公明市議団が問責に反対して対案を出すなど、何を考えているのか!」という批判的趣旨の投稿をTwitterとFacebookの両方に流してしまっている。翌朝になって辻市議と電話連絡を取って直接状況説明を受けたため誤解は解けたものの、吉富氏も指摘するように、表面上の出来事を見ると、維新の肩を担いだと思われても止むを得ない部分はある。本会議当日の私と同じように思う有権者、いや、それどころか党員支持者も結構な数いたはずだ。事実、Twitterのタイムライン上も公明党大阪府本部のFacebookページ上も、あるいは公明の大阪市議が個別に解説しているFacebookページにも、今回の対応を批判するコメントが溢れかえっていた。この点については、党並びに市議各人は、党員支持者に納得のいく分かりやすい経過報告をしていただきたい。

ただ、メディアによるミスリードが招いた勘違いとはいえ、市議団の対応に難癖をつけたのは事実であり、自身の不甲斐なさを恥じるとともに、この場をお借りして党並びに公明党大阪市議の皆さんに対し、謹んでお詫び申し上げる。

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大阪市の橋下市長が大阪都構想の関連プロジェクトとして推進してきた大阪市営交通の民営化。
平成25年の2月定例議会に関連条例案が提出され、交通局が策定した「民営化基本方針案」をたたき台として議論が行われたが結論は出ず、維新を除く全会派の要求により、継続審議の手続きが取られた。

その後、2月議会での議論を踏まえた改訂版として「民営化基本プラン案」が策定され、5月定例議会で再び市営交通民営化が議論された。しかし、「改訂版にしては代わり映えしない」との指摘が多く、再度継続審議の手続きが取られる見込みとなった。

この経過に対し、熱狂的な維新支持者からは、まるで民営化に反対しているかのような捉え方をされ、「なんで自公民は改革の邪魔をするのか!」との批判も多い。
しかし、議会の公式動画や議事録を確認すれば、民営化反対、改革の邪魔どころか、改革が失敗に終わらないよう助言・提言を多くしているということが分かるはずだ。その先頭に立っているのは、主に公明党の辻義隆市議だ。

維新支持者には、「民営化」イコール民間資本による運営に移行するという認識を持っている方が多いように思う。しかし、実際に策定された民営化プランでは「大阪市100%出資による株式会社を設立し、上場可能な企業体を目指す」とされている。

この時点で維新支持者は「本当は100%民間出資のほうがいいんだけど、2/3の賛成が必要だから議会の関与を残せるように自公民に譲歩した。なのになぜ賛成してくれないんだ?」という認識が多いようで、議会での議論を傍聴し続けてきた者として、ため息が出てしまった。

民営化に反対ならば、採決の際に継続審議の要請ではなく反対表明をすればいいこと。ではなぜ継続審議要請なのか。それを書いていく。


よく民営化の成功事例として例に挙げられるのがJRグループ。
しかし、JRも当初は国鉄清算事業団という特殊法人が全株を保有しており、今も北海道、四国、九州、貨物の4社は同事業団の継承法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構が全株を保有し続けている。

つまり、東日本、東海、西日本の本州3社以外は、今もって全く民間資本が入っていないという事実を知っておかねばならない。

そんな状況の中でも、JR九州の積極攻勢には目を見張るものがある。
九州新幹線博多全通を見据え、地元自治体と連携して観光資源を開拓・整備したり、中韓富裕層の訪日観光が増えていることを背景に豪華クルーズ列車を企画したり、枚挙にいとまがない。
興味ある方は、JR九州の中期経営計画http://www.jrkyushu.co.jp/profile/img/tsukuru/tsukuru.pdfをご覧いただきたい。

とても100%公的資本による特殊会社とは思えない内容だが、それにはJR九州社長である唐池恒二氏の尽力によるところが大きい。また、社員教育などを通じて現場第一線にまで「JR九州イズム」を浸透させ、実践できていること。

つまり、公営企業か株式会社か、株式会社なら公的資本か民間資本かといった企業形態は、企業風土醸成には影響しないということが重要なポイントである。

ただ、公営企業に関する法律や地方自治体に関する法律などの制約により、公営企業のままでは自由な事業展開ができないというのも事実である。

そのことを踏まえて、辻市議は

仮に地下鉄が株式会社化されたとしても、新規採用社員が増えるまでは今の交通局職員が地下鉄会社社員として働くことになる。つまりスタートダッシュの大事な時期だ。ところが、今の交通局の意識が変革されない限り、株式会社化は失敗に終わる

と警鐘を鳴らす。さらに、

民営化プランを見ても、JRの経営計画書に遠く及ばない。
また、民営化を目指すとしている割には、四半期決算や利用者数や運賃収入などの月次報告、トップの定例記者会見など、上場企業の多くがやっていることが、公営でもやろうと思えばすぐにでもできることができていない。こんなんでは民営化してもダメ。


と指摘する。

この指摘を受けた交通局の藤本昌信交通局長は「なるほど、ごもっとも」と答弁し、橋下市長も「市議の皆さんには辻議員のような認識を持っていただきたい」と、その指摘の鋭さに脱帽の様子だった。

辻市議は

大阪市100%出資の株式会社ということは外郭団体だ。お役所体質が抜けなければ、失敗・破綻した多くの三セクと同じ道をたどってしまう。

と危機感を募らせる。その思い入れの強さは、

私は民営化論者なので、今回の案件は是非とも成功してもらって、大阪の地下鉄に飛躍してもらいたい。だからこそ、失敗が絶対許されないから質疑のトーンも厳しくなるし、安易な民営化はアカンと言いたいんです。

という言葉に集約されるだろう。
つまり、民営化という方向性自体は賛成だが、そのスキームが詰めの甘すぎるものであり、到底容認できないということである。

「忠言耳に逆らう」という言葉もある。交通局関係者には、JR九州を手本として民営化プランを再度練り直していただき、維新支持者には、自公民が民営化反対というわけではないということをご理解いただきたい。

そして、賛成派も反対派も、感情論や先入観で言い合いをするのではなく、議会の議論をしっかりチェックしたうえで物を言ってもらいたいと思う。

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